INTRODUCTION

イントロダクション

Unlimited
Blade Works

(遠坂凛ルート)

魔術世界に万全を叶える『奇跡』あり。
かくて、ここに七人の魔術師と七騎の使い魔あり。
集いしもの喚ばれしもの、ともに超然の理にある貴人。
汝等、さらなる超理、さらなる貴みを目指すのならば。
いざ、自らを以て最強を証明せよ―――

――― Unlimited Blade Works

たとえば、一人のマスターの話をしよう。
冬木市を管理する魔術の名門・遠坂。
その後継者である凛にとって、聖杯戦争は待ちこがれた戦いの場だ。
父の無念を晴らし、遠坂の力を示す絶好の機会。
彼女にとって勝利は当然であり、むしろいかに優雅に、
遠坂らしく振る舞えるかの方が頭の痛い問題だった。

遠坂凛が呼び寄せたサーヴァントはアーチャー。
赤い外套に身を包んだ正体不明の英霊。
最高のマスターである少女は、正体不明のサーヴァントと共に夜の街を駆けていく。

これも一つの物語。
少女はマスターの一人として、衛宮士郎の前に立ちはだかるライバルとなる。
わずかなボタンのかけ違いから、少年と少女の運命は重なっていく。
少女は戦いながら少年を認め、良識を持つマスターとして共に聖杯戦争に臨んでいく。
だが赤い外套の騎士は語る。

「―――理想を抱いて溺死しろ」

……罪の所在を明らかにするように。
無人の荒野に、数多の墓標が連なっていく。

魔女の暗躍、空虚な胸の裡。
敗者の妄念、捻れた幻想(りそう)。
長く蓄積された疑問と、その解答。
二つ目の戦いはより激しさを増し、聖杯戦争を彩っていく。
錬鉄の歯車は軋みをあげる。
聖杯戦争第二幕。
二転三転する群像劇の果てにあるものは―――